昼と夜で色が変わるブラチャーム。
2010年、景気はどうなるのか? ファッションはどうなのか? 先日ワコールの春夏展示会に伺ったところ、かなりのパワフル度が感じられ、嬉しくなりました。
その第一が、トレフルの新作ブラに装着できる、アレキサンドライトのチャームです。税抜き50万円という価格もインパクト大ですが、この石、自然光の下では深い青緑色、白熱電球の下では情熱的な赤紫色へと変化する希少な宝石。1830年ウラル山脈の鉱山で発見され、ロシア皇帝ニコライ一世に献上された際、発見された日が息子アレキサンドル二世の誕生日だったため、アレキサンドライトと命名されたとか。現在予約販売中のチャームは、ブラのレースと同モチーフのプラチナの台座に再結晶宝石アレキサンドライトを乗せ、周囲に20石の天然ダイヤをあしらったものなのです。
再結晶宝石アレキサンドライトは、イナモリストーンといわれる京セラ製。天然石に似せたイミテーションではなく、最も美しい宝石の色が再現されていると知り、目から鱗でした。天然石は結晶の過程で不純物が混じり込むことが多く、最高のものが採取されるのはきわめて稀。しかしイナモリストーンは、コンピュータで理想的な環境に設定されたマグマ状態の中、時間をかけて丹念に結晶を成長させるため、不純物が少なく、天然石ではめったに見られない美しい色調と透明感が実現できるのだそう。
とはいっても、原石を育てるのは簡単なことではなく、製品化されるのはわずか数%程度。昼と夜の鮮やかな変色ぶりを、胸の上で確かめたい誘惑にかられます。
最強のバラの最盛期を全身に。
さて、次なる注目株は「癒しのジャスミン」「明るいチューリップ」など、植物のパワーを取り入れたサルートの新作群。とりわけパワフルに見えたのが、ロサ・カニナのエキゾチックで力強い配色を取り入れた「ローズガーデン」シリーズでした。
ロサ・カニナはローズヒップの実がなるバラで、原産国のチリでは「若返りの秘薬」と呼ばれる美肌効果があるそうですよ。刻々と変化するローズガーデンの最盛の瞬間をとらえた印象に引き込まれますが、写真のほかに2タイプのショーツとスリップ、キャミソールも。トータルコーディネートすれば、全身から怪しいほどのヒーリングパワーを発するローズガーデン状態に。
ちなみに春夏のテーマは、トレフルが「贅沢は進化をあと押しする」。サルートは「無難は、嫌い」。下着好きの心をつかみ、高い次元に連れていってくれそうな挑発的なコピーですね。見える部分は着飾るけどインナーは適当でいいわというのでは、心が貧しくなりそうですから。
昼と夜で色が変わる宝石や、最も美しい瞬間の植物で表現できることは、自分を決まったイメージで固めない、気まぐれな危うさでしょうか。これ、モテの奥義でもありますね。つかみどころがなく、すぐ逃げていってしまいそうな感じ......。相手を簡単に安心させないために、身軽であることは大切なポイント。思い切り冒険できる下着は、やはり魅力的です。皆さんにとって2010年がいい1年になりますように!
■サルート:https://www.wacoal.jp/Salute/