近年の暑さ対策で毎夏好評の「スゴ衣」シリーズから、清涼感あふれるリブ素材の新作が登場しました。ノースリーブ・キャミソール・袖つきボートネックの3デザインでカラー展開も充実! 汗取りパッドの魅力も探ります。
人気のリブ素材でカラーバリエーションを増やした新作が登場
――2020年夏の「スゴ衣」は昨年とはどこが違うのでしょうか?
石田 もともとシンプルなタイプの生地で展開していましたが、2019年夏にリブタイプの生地で汗取りパッド付きの商品を扱ったところとても評判がよかったんです。涼しげな見た目や、オシャレなイメージがその理由かなと。そこで今回はリブタイプのバリエーションを充実させ、汗取りパッド部の設計を見直して改良しています。デザインや素材、設計も見直しています。
――カラー展開も豊富だとか?
石田 はい、特に例年需要の高いキャミソールとノースリーブは各5色ご用意しました。袖付きボートネックは4色です。目を引くキャッチーなブルーや、最近肌着のカラーとして人気が定着してきたグレージュを採用しました。シアーブラやシアーシェイプともカラー連動しているので、あわせて着用いただけるとうれしいですね。
――デザインはまさにキャリア世代にぴったりのクールな印象ですね。
石田 シンプルながらもキャリア世代を意識しました。たとえばキャミソールのストラップも細くすることで、薄くてより軽やか見えるように。袖つきボートネックは、若干Vが深くなるようにしてすっきりとしたシルエットを目指しました。
――本当に薄くて軽やかですね。リブだと、涼しく感じる効果がありますか?
石田 肌に触れる面積がフラットではなく凹凸がある分、より涼しく感じるという方もいらっしゃいますね。綿混素材で吸汗速乾性があるので、汗をよくかく日でも快適に着ていただけると思います。
――特に苦労された点はありますか?
石田 もともと、ベースとなる素材があってそれをリブ素材に変えたので本体自体は割とスムーズだったんですが、いざ量産するときに問題が…。この素材は筒状に編んでいくのですが、リブなので目が開いたり閉じたりしているから幅が安定しなくなってきたりして。企画も設計も苦労して調整し直しました。ちなみに、このリブ素材のグループはすべて国内産なんです。
吸汗速乾素材の汗取りパッドに、2パターンの使い方アイデア
――昨年のシンプルなシリーズには付いていなかった汗取りパッドを採用された理由は?
石田 シンプルなシリーズは、生地が薄いため汗取りパッドが透けてしまうことや、吸汗速乾性のある素材ということもあって搭載しませんでした。なかには汗取りパッドを好まない方もいらっしゃるので。ですが、ぜひ付けてほしいというリクエストが店頭から届いたのと、キャリアの方向けにという思いがあり今回は採用を決めました。汗取りパッドによりアウターへの染み出しが軽減されるので、オフィスシーンでも活用していただければ。
――2019年のリブ素材の汗取りパッドから、さらに進化したのだとか?
石田 そうなんです。さまざまな汗取りパッドをメンバーが市場調査して分析し、形状を見直すことに。あまり薄くても着ごこちがよくないので、安定感を感じる厚みに調整しました。パッドの形も脇の前側の面積を広く、袖下を長く、袖まわりギリギリのラインまで使えるように工夫して、微調整しました。
――汗取りパッドをあえて外に出す着用法もあるのですね?
石田 実際どのくらいの方がそうされているのかはわかりませんが、汗をダイレクトにキャッチできるのでお洋服によってお試しいただければと思います。
石田 暑い季節の気になる汗対策に、「スゴ衣」の新シリーズを手に取っていただければうれしいです。
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石田里代子(いしだ・りよこ)
卸売事業本部 WBインナーウェア商品統括部 商品企画部 商品企画一課
ワコール入社後、ウイングブランド事業本部で主にボトム・ニットの企画開発を担当。2015年7月より現職へ異動。GOCOCi・ショーツのリーダー兼ニットのチーフデザイナーをつとめる。
撮影/合田慎二