「LUXE BEAUTE(リュクスボーテ)」からワコール史上最高メイクのガードルが誕生

語り/林 佳子(チーフデザイナー)

ワコール史上最高のメイク力を誇る補整ランジェリーグループ「LUXE BEAUTE(リュクスボーテ)」からはじめてのガードルが誕生! ブラジャーと同じく高い造形性にこだわった、そのヒミツを探ります。

LUXE BEAUTE(リュクスボーテ)

1枚の生地の中でパワーの強弱をつけて、しっかりボディメイク

――「LUXE BEAUTE(リュクスボーテ)」のガードルを開発したきっかけを教えてください。

 2019年秋に登場した「LUXE BEAUTE」は、造形性の高さが魅力の商品グループです。胸だけではなく全身を美しく整えたい! という女性の願いに応えるために、ブラジャーとコーディネイトして着用していただけるガードルを開発しようとなりました。デザインはパッと目をひく大きなアップリケ柄を全体にあしらい、モードエレガンスに仕上げています。カラーはブラジャーとコーディネイトできるブラックと、アウターへの透けが気にならない上品なベージュの2色展開です。
メインターゲットは自分のまだ見ぬ美しさを引き出したい! という美を追求するキャリア女性になります。ガードルを着用するのが初めての方にもはいていただきやすいように、着ごこちのよさも意識しました。

BL(ブラック)のコーディネイト例。
BL(ブラック)のコーディネイト例。

 ワコールではガードルのパワー感を、ソフト、ミディアム、ハードの3段階に分けているのですが、これはいちばんしっかり補整するハードの商品となります。これまでは、ハード=昔ながらのガードルでしたが、この新作はしっかり補整をしながらも、肌なじみがよく、やさしくフィットするのが特徴です。

林 佳子

――素材には、どのような特徴があるのでしょうか?

 全体的にパワーがある素材を使っていますが、それだけではなくメッシュ部分より柄の部分のパワーをより強くすることで強弱をつけています。1枚の生地の中でおなかまわりと太ももの脇のパワーを強くすることで、造形性を高めました。とはいえ、おなかの上部は苦しくないようにパワーを抜いていますし、脚まわりはフリーカッティングなのでしめつけ感はありません。

表面。柄の入っている部分はパワーが強い。
表面。柄の入っている部分はパワーが強い。

 背面は、ヒップトップに熱をかけて立体感を出しています。着用すると、熱をかけた箇所に自然にお肉が集まってまるみがつくようになっています。

ヒップトップにお肉が集まるように生地を加工。
ヒップトップにお肉が集まるように生地を加工。

――素材選びの際、実験をされたそうですね

 そうなんです。「汗をかいたときなど、メッシュ生地はかゆそうなイメージ」というお声があったので、事前に実験をしました。肌あたりを重視されるモニターの方に、いろんなタイプのメッシュ生地のガードルを着用していただき、気温33℃・湿度70%という真夏の環境下で運動をしてもらうという内容です。汗をかいたときに変化があるかどうかをていねいに調べていき、最終的にこの生地を採用しました。

伸度のいい裏打ち素材を使うことで、快適なはきごこちに

――内側の素材や構造について教えてください。

 裏打ちの素材は、かつて別のガードルの本体にも使っていた質のよいものを使っています。伸度があって肌ざわりがいい生地なので、スムーズに着脱していただけると思います。

裏打ちに採用した、伸度がよく肌ざわりのいい素材。
裏打ちに採用した、伸度がよく肌ざわりのいい素材。

 裏打ちの構造は、動きにフィットさせるため浮かせています。下腹部分のパワーを強くすることで、おなかを引き上げるように押さえつつ、座っていても窮屈さを感じにくいようにしたのもこだわりです。

表の生地だけでなく、裏打ちでもパワーを切り替え。
表の生地だけでなく、裏打ちでもパワーを切り替え。

 背面の腰回りの裏打ちは、伸びを止めることによってパネルのように安定させています。
そうすることで、運動後のずれ下がりを軽減しています。

運動してもずれ下がりにくい止め継ぎの縫製。
運動してもずれ下がりにくい止め継ぎの縫製。

 サイズは58~82をご用意しています。ガードルが初めての方はもちろん、日常的にはかない方にも、例えば同窓会やセレモニーなど、ハレの日に着用していただければ特別なシルエットを実感していただけると思います。ぜひ快適な着用感やボディメイクの効果を実感してみてください。

  • 林 佳子
  • 林 佳子(はやし・よしこ) 卸売事業本部 ワコールブランド インナーウェア商品統括部 商品企画部 商品企画一課
    2005年入社。ボトムの設計・開発、ラゼのデザイナーを経て、2018年からボトムのチーフデザイナー担当。
取材・文/シキタリエ
撮影/合田慎二