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Vol.06
満ちて咲いて
「見ちゃだめ!」驚いて目覚める日曜日の朝。逆らうことはできそうもないその無邪気な声に従って、声の方角から目を背け、ベッドルームから脱出して庭に出た。音を立てないように。そうして、青々としたカーペットのような草たちや、色とりどりの小さな花たちを、愛おしむように水を撒き、わたしはゆっくりと時計の針が、文字盤を…
山崎美弥子さんが手掛ける作品の普遍的なテーマである「1000年後の未来の風景」。
観る人すべてをやさしく包みこむような世界観が、多くの人を魅了し続けています。
彼女が独自の感性で紡ぐコラムを、全6回にわたってお届けします。
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Vol.06
「見ちゃだめ!」驚いて目覚める日曜日の朝。逆らうことはできそうもないその無邪気な声に従って、声の方角から目を背け、ベッドルームから脱出して庭に出た。音を立てないように。そうして、青々としたカーペットのような草たちや、色とりどりの小さな花たちを、愛おしむように水を撒き、わたしはゆっくりと時計の針が、文字盤を…
Vol.01
彼女の声は泣いている。「ママ、こわい。わたし、生まれてはじめてクルマを買ったの。」電話は、この夏‥‥
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Vol.02
まっすぐな眼差しの小さな女の子。ママに連れられ隣の島から、たった八人乗りのセスナ機に初めて乗って、‥‥
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Vol.03
透けるようなプルシヤンブルーの月夜に浮かぶ白い虹、ナイトレインボー。見る者の願いを叶えるという‥‥
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Vol.04
「あの坂を上ってみよう。」 偉大なる、愛しき人という名の坂道。道の両脇に窮屈な三次元世界から溢れ出さん‥‥
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Vol.05
「夜明けまえと日暮れあと、天国131番地の家があるこの丘には、野生の鹿たちが訪れる。彼らは時に、‥‥
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Vol.06
「夜明けまえと日暮れあと、天国131番地の家があるこの丘には、野生の鹿たちが訪れる。彼らは時に、‥‥
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アーティスト。1969年東京生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。東京を拠点として国内外で作品を発表する。一転し、2004年から太平洋で船上生活を始め、現在は人口わずか7000人のハワイの離島で1000年後の未来の風景をカンバスに描き続けている。