魅惑のランジェリーエッセイ 上流下着のつどい Upper Inner Salon|ワコール

18 Jul, 2014

運命をかえる夏の下着

ブラック・ベーシックを活用せよ。

WACOAL DIA 2014秋冬コレクションの「W」より
WACOAL DIA 2014秋冬コレクションの「W」より

 夏は薄着だからコーディネイトがラクだと思われがちですが、本当にそうでしょうか。身につけるアウターは、冬に比べて軽く少なくなりますが、下着についてはどうか。薄着のせいでかえってシルエットが目立ったり、透けたり、はみ出たり。厚着の季節よりも存在感が強調され、高度な着こなし戦略が必要になってくるのではないでしょうか。夏は下着が主張する季節であり、下着がコーディネイトの主役になる季節なのです。
 ならば、できるだけ上品かつセクシーに、存在感を表現したいもの。見えてはいけない下着が「うっかり見えてしまう」ことも、ストリート・カジュアル的な下着を「健康的に見せてしまう」ことも、上品かつセクシーの概念からはやや外れます。上級者が目指すべきは「いつ、どこから見られてもOK」な状態にしておくことではないでしょうか。すべてのアイテムがドレスのようなWACOAL DIAなら、それが叶うはずだと確信します。

 定評あるブラック・ベーシックのシリーズは、とりわけ威力を発揮するでしょう。美しいラインとフィット感を約束するワイヤーレスで留め具のないブラや、ストラップをレギュラー、クロス、ホルターに切り替えられるモダンな金具のフロントホックブラ。動いてもラインが気にならないボーイレングス・ショーツや、どんなトップスにも合わせやすいチューブインナーも、全方位的に心強いアイテムです。
 機能の追求だけでなく、圧倒的に美しいフォルムと、知的でセクシーなここちよさを備えているのがWACOAL DIAの魅力。その真骨頂を味わえるのが、2014秋冬コレクションの「W」です。二重性の意味合いがより強調された独自の世界観は必見で、W杯は終わってもWACOAL DIAのWはこれからといったところ。7月から11月まで毎月新しいコレクションが店頭に並ぶので、ぜひチェックしてみてください。

今と未来、Wの自分をたのしむために。

 8月に登場するのは、幾重にも重なったスカラレースのコレクション。波形のスカラレースの語源はスカラップ(帆立貝)であることを展示会で教わりました。いわれてみれば、帆立貝をかたどって焼いたマドレーヌのような愛らしさ。『失われた時を求めて』というフランスの小説には、マドレーヌを食べた瞬間に夏の記憶がよみがえる有名なシーンがありますが、スカラレースをまとえば、瞬時にヴィーナス誕生の気分になれそうです。
 薔薇を敷きつめたような重厚感のあるケミカルレースとチュールのコレクションは、目を見張る立体感。ダイヤのカット面をズームアップしたコレクションのゴージャスさも見逃せません。ヨーロッパのクリスマスに使われる宿り木をモチーフにしたコレクションは、雪のようにも見える白い実が、グリーンのラメ糸の葉に浮かび上がりロマンチック。「宿り木の下でキスをすると幸せになる」という言い伝えが、今年の冬は現実になるかも......。

WACOAL DIA 2014秋冬コレクションの「W」より

 思いを託したいモチーフを見つけたら、ブラとショーツにするのか、トップスとペチコートにするのか、何色を選ぶのか、悩む楽しみが待っています。ベルトやストール、羽織ものなどのコーディネイト・アイテムも充実しているので、季節の深まりとともにアレンジしながらプラスしていく楽しみも。選択肢が豊富であることは贅沢なこと。未来の自分の可能性が無限であるような気がしてきます。
 私の友人は、パーティに着て行った服の色がきっかけである人と会話をし、結婚に至りました。これは例外的な事件でしょうか? その日別の色の服だったら、彼女は違う人生を歩んでいたかもしれない。毎日の選択が運命の岐路であり、その積み重ねが唯一の未来を切りひらいていくのでしょう。Wは、今の自分と未来の自分。そう思うと、夏のコーディネイトを楽しみながら冬の計画を夢想する行為に、思いのほかドキドキしてしまいます。

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ファイナル・コレクションの先見性
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